税理士法人 杉井総合会計事務所

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今月のトピックス〔2007.12〕 -2007年12月07日

 

 

《データで見る経営》  
2006年度の日本の労働生産性は799万円。前年度比1.7%アップ!
このほど、財団法人社会経済生産性本部では「生産性年次報告書2007年版」をまとめました。そこで発表された2006年度の日本の労働生産性は799万円。実質労働生産性上昇率は前年度比1.7%のプラスになりました。労働生産性は2002年度から右肩上がり。近年の経済成長率が上向いた大きな要因にもなっていると分析できるでしょう。
実質労働生産性上昇率を産業別にみると、製造業が前年度比3.3%、情報通信が3.1%上昇。一方、医療・福祉がマイナス0.9%、サービス業がマイナス0.6%と停滞している産業も見受けられました。
社会経済生産性本部では、今後、労働生産性向上を加速させるためにはIT投資はもちろん、ITによる技術革新に適合するための人材育成や組織形態の変更が極めて重要と設いています。
なお、労働生産性は限界利益(付加価値)を従業員で割ったもの。その「従業員数」を測定するのに「派遣社員を含める」とした回答が54.9%と過半数を超えました。「パートタイマーを含める」とした回答は42.4%。非正規労働者の範囲には、会社ごとにばらつきがあることが判明しました。

《今月の数字》
「創業者向け無担保・無保証人」の融資実績が過去最高!
創業期の企業に無担保・無保証人で融資する「新創業融資制度」の平成19年度上半期実績が、国民生活金融公庫から発表されました。平成18年度の実績は、金額ベース286億円、件数ベース9,237件。19年度は上半期の時点で金額が232億円(前年比167.9%)、件数が6,818件(前年比156.4%)と大幅に伸びていることが判明しました。今年4月には制度の拡充を行ない、利用者層が広がったことも影響しています。
「新創業融資制度」とは、的確なビジネスプランを持ちながら、担保を提供することや保証人を立てることが困難で、創業時に必要な資金調達に支障をきたしている方の支援を目的として、無担保・無保証人で融資する制度。平成13年7月の制度発足以来、件数、金額とも右肩上がりで推移しています。
また「第三者保証人等を不要とする融資」の平成19年上半期実績も過去最高。件数は46,521件(前年比128.5%)、金額は2,931億円(前年比145.3%)と増加傾向にあります。今年4月から融資限度額が1,500万円から2,000万円に引き上げられ、制度が拡充されております。

《経営Q&A》
1.協調性に欠ける社員をどうするか?
Q:わが社に2年前に入社したある社員は、他の社員との協調性がありません。会議やミーティングにはほとんど出ず、部署全体で手掛ける業務にも手を貸さないといったありさま。営業成績はトップクラスなので、目をつぶっているのが現状です。会社としてどうすればいいのでしょう?
A:協調性に欠ける社員を放置していては、職場全体の士気にかかわります。会社の積極的な関与が求められます。特にチームで業務を行なう場合、強調性がない社員がいると、さまざまな問題が持ち上がり、業務遂行に悪影響を及ぼします。そうすれば、他の社員まで協調性がなくなったり、果ては退職していくといった事態も考えられます。
こんな事態を避けるためには会社が積極的に関与し、状況の改善を図る必要があります。まずは、職場の仲間と協力して仕事を進めることの重要性を説き、改善の努力を促すことから始めましょう。自発的努力により現状を打開する可能性を探るための機会と、一定の時間を与えるのです。
それでも改善が見られない場合は、別のセクションに異動させ、新しい人間関係の下で協調関係を築く可能性を探ります。それでもダメなら、会社の実状にもよりますが、可能な限り多くの現場を体験させましょう。
ここまで会社側が努力しても改善されない場合、初めて客観的に正当な解雇の対象として判断ができます。この際あらかじめ、当該社員に関わって日々起こるトラブル事例、発言内容などの問題点を詳細に記録として残しておき資料とすることが不可欠です。
社員を採用する際、どうしても過去の経歴や能力ばかりに目が行ってしまいがち。もちろん、それらも大切ですが、人間性や協調性も勘案し、入社したとき周囲に及ぼすであろう影響も考えて採用することが望ましいといえるでしょう。

2.試算表は1円単位じゃないとダメ?
Q:わが社でも月々の試算表を経営判断の資料に活用したいと考えています。しかし、それを経理担当者に伝えると「正確な数字が出るには時間がかかる」と言われました。私は数字音痴なので、それ以上は強く要求できなかったのですが、どうすればいいのでしょう?
A:「数字が正確で当たり前」の経理担当者にとっては、試算表も1円単位の狂いがなくピッタリと提出したいのでしょう。そのお気持ちはお察しできます。しかし、経理担当者でも業務の種類によって求められる仕事の進め方が異なってきます。
もちろん、精算・支払・請求などの業務は1円の間違いも許されません。スピードよりも正確性が求められます。一方、月次試算表は経営判断の材料にするものなので、1円単位で合っている必要はありません。それよりも「月が明けて10日」などといったスピードが求められます。これらの違いを意識して業務に取り組むよう、経理担当者に説明してみましょう。
これからの企業は経営計画が不可欠。毎月出る試算表の数字を経営判断に活用することが求められます。しかし、正確性にこだわるあまり、月次試算表の提出が2,3ヵ月後になっては、経営の意思決定に使えません。そのために試算表の提出は、正確なことよりもタイムリーであることが優先します。
経理担当者は職業柄どうしても「1円の狂いも出したくない」というタイプが少なくありません。まずは、会社が経理担当者に何を求めているかをしっかり説明することから始めましょう。


《HINT》
月ごと、年ごとの売上推移で見逃すことは何か?年計表で増減の傾向をつかもう!
経営に関する数字は、その多くは決算のために出すものです。売上高や諸経費は各事業年度単位で算出し、新年度が来るとまたゼロからスタートします。
ところが、年度単位だけでなく、月ごとの動きや長期的な傾向をみたい場合もあります。そんなときに役に立つのが年計表というものです。
年計表とは、売上高を1ヶ月ごとに区切り、その月までの直近12ヶ月の数字を並べた折れ線グラフのこと。例えば、今年1月分なら前年2月から今年1月分までの1年分の合計、今年2月分なら前年3月から今年2月分までの1年分の合計となります。
こうすると事業年度に関係なく、過去1年間の実績がどのように推移しているかが分かります。1ヵ月ごとの短期の表ですと「先月は増えた」「今月は減った」しかわかりませんが、年計表を見れば、その商品が今上昇中なのか下降中なのか横ばいなのかという傾向まで読み取れます。例えば、主力商品の売上高が少しでも下落傾向になったら、次の商品開発を始める必要があるというように、傾向から次の手を打つことができるのです。大切なのは、年計表のグラフから上昇・下降の理由を分析すること。そうすれば、的確な方策を打ち出すことができるでしょう。
年計表は売上高だけでなく、人件費、販売管理費、固定費、借入金、リース料支払いなど、各費用についても作成が可能。費用の傾向をビジュアルでとらえることができ、どのような策をとるべきかわかりやすくなります。
年計表はあくまでも会社の内部資料。決算書のように公表する必要はありません。なので、フォームにとらわれず、自分たちが知りたいものをアレンジして作成できます。1年分だけでなく、3年分、5年分と作成してみると、傾向がさらに読み取りやすくなるでしょう。また、過去1年分の累計数字の代わりに過去5年分、10年分といった長期スパンでの累計を表にすると、より長期的な変化の推移が分かるようになるでしょう。

《経営者インタビュー》
テレアポは論理的・体系的に原因・結果を考える古くて新しいマーケティング!
FAXやEメールといった通信手段の多様化が進むなか、テレアポによる営業はまだまだ健在。しかし、テレアポから「きつい」「根性論になりがち」といった印象がぬぐえない人は少なくない。テレアポ代行、コンサルティング会社の有限会社リンクアップスタッフを経営し、自ら“テレアポ職人”と称してアポインターとしても活躍している竹野恵介氏に、テレアポの秘訣について話を聞いた。
竹野さんからみて、テレアポのマーケットは拡大していると思いますか?
はい、拡大していると思いますね。昨今の「振り込め詐欺」などの影響で、一般家庭向けの電話セールスに対する印象は悪くなっています。しかし、法人になると話は別。テレアポのコストはさほど高くなく、何よりも反応が即座に返ってきますからね。この点ではDMやFAXに比べると数段違います。ここ最近で電話という“古くて新しい”手法に注目している方が増えているような感覚があります。
テレアポに関する持論をお願いします。
テレアポというものは、先方にとっては「突然」「了解なしに」来るものです。だから嫌われるのです。テレアポは「嫌われる」「断られる」という前提で考える必要があります。断られたからといって、人格を否定されたわけではありません。テレアポを営業手段の一つと割り切り、時間が来たら何が何でも始めることです。ただそれだけですね。
テレアポに欠かせないものは何ですか?
スクリプト、つまりテレアポの台本です。紙に「もしもし」から一字一句すべてをきちんと書いていきます。電話で話すことや、次に相手が話すであろうこと、それに対してこちらが話すことなどを紙に書き、電話の際に読み上げるのです。
話す内容をスクリプトとして紙に書かずにテレアポを始めると、必ず言葉に詰まり「えー・・・」「それで・・・」と、余計な言葉を発するようになります。そうなると話が長くなり電話を切られてしまう恐れがあります。
スクリプトがあれば、その内容を検証する事ができます。同じ内容を何人もの相手に話せば、おのずと問題点が浮かび上がってきます。それを改善すればよいのです。スクリプトなしで毎回トーク内容が違うと、結果を検証できません。どこが悪いのか分析できず、直しようがなくなります。私はテレアポを10年以上やっていますが、今でもスクリプトを読み上げながら電話していますよ。
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