税理士法人 杉井総合会計事務所

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今月のトピックス〔2008.1〕 -2008年01月15日

 

 

《データで見る経営》
中小企業再生支援協議会の利用は早いほうがよい?

中小企業再生支援協議会とは、産業活力再生特別措置法に基づいて経済産業省、中小企業庁の中小企業支援策の一環として、中小企業の再生を進めるために各都道府県に設置された公的機関。地域経済の再生に取り組み、相談内容に応じて各種アドバイスの実施、専門家の紹介、経営改善計画の策定支援を行ないます。中小企業にとっては”国立の地域総合病院“のような存在です。
取引金融機関など限定された債権者間の調整による企業再生で、中小企業は「業況悪化による多数の取引先、地域経済への影響を回避」「技術力、ノウハウの確保」「従業員の雇用確保」といったメリットがあります。
グラフは中小企業庁の「中小企業再生支援協議会に関する利用企業アンケート調査(2006年)」から、中小企業再生支援協議会の利用時期について。利用時期が「適切」と答えた企業は4割に上りましたが、半数近くの46.9%が「もっと早く利用したほうが良かった」と回答しています。一次対応の相談は無料。
少しでも経営上に不安があれば、会計事務所や金融機関等に相談して利用したほうが、経営改善は早まる事でしょう。

《今月の数字》
07年11月の「老舗倒産」は278件! 前年同月比62件で増加!!

帝国データバンクの「全国企業倒産集計2007年11月報」によると、業歴30年以上の「老舗倒産」は278件。前月の301件に比べると減少したものの、前年同月の216件と比べると62件(27.8%)の増加となりました。
倒産企業全体のうち、老舗倒産の割合は30.7%で、2ヶ月ぶりに30%台の高水準を記録。前月を2.9ポイント、前年同月を2.1ポイント上回った結果になりました。
もちろん「老舗企業=倒産」ではありません。立派な業績を残している老舗企業はたくさん存在します。しかし、この数字だけを見ると「老舗だから大丈夫」とは、一概にいえないかもしれません。与信管理の際には「老舗の看板」だけで判断してはいけないことを物語っています。

《経営Q&A》
1.社員が自己破産していたときは?
Q:わが社のある社員について「自己破産したのでは?」という風聞が社内でささやかれていました。別の社員からは「以前はカード会社らしき人から取り立ての電話と思われるものが頻繁にかかってきたが、最近はパタリと電話がこなくなった」という情報が。本人に問いただしてみると、自己破産したのは事実とのこと。いろいろと不安なので会社を辞めてもらうべきなのでしょうか?
A:結論から申し上げると、自己破産という理由だけで社員を解雇することはできません。社員として働くことと、個人として破産宣告を受けたこととは直接の関係がないからです。
しかし、業務に悪影響を与えたり、その危険性が強い場合は話が違ってきます。もちろん、自己破産に至った経緯にもよりますが、例えば金銭の出入りを扱う経理関係の部署に属する社員や、人事部の管理職に就く社員が自己破産者だったならば、担当業務を任せることが適当ではないと判断されても致し方ないかもしれません。配置転換の対象にすることも考えられます。
近年は自己破産者が増加して社会問題に発展。金銭面で深刻な問題を抱えている社員がいてもおかしくありません。もし、会社側で事前に状況を把握できていたのならばアドバイスを施し、深刻な事態に陥らないよう手を打つことも必要といえるでしょう。

2.得意先の悪いうわさを聞いたら?
Q:当社の大事な得意先について、営業担当者から芳しくない噂を耳にしました。「銀行から融資を断られたらしい」「キーマンが退職して独立するようだ」など、複数の噂を聞いたので、こちらも気が気ではありません。すぐに取引を絞ったほうがいいのでしょうか?
A:取引を絞る前に、噂が事実かどうか確認することが必要です。だからといって、噂程度の情報量で先方に確認しても「何かの間違い」と否定されるのがオチ。噂の信憑性を吟味することが求められます。
まず確認するのは「噂の情報源」。得意先の社員や取引が密接な先など、得意先のステークホルダーから直接聞いた話ならば、かなり信憑性が高いかもしれません。
問題なのは「又聞きの噂」。得意先と直接関係がない先からの情報は、かなり信憑性に欠けるでしょう。ライバル会社が相手をおとしめるための嘘の噂を流している可能性があります。あるいは「得意先が銀行に入るのを見た」という話に尾ひれがついて「銀行から融資を断られた」というマイナス情報に化けるというケースもよくあることです。
噂の情報源を確認したら、周辺へのヒアリングが大事。得意先のほかの社員、取引先、同業者などに、それとなく聞いてみるといいでしょう。「こんな噂を聞いたんだけど」と水を向ければ「そんなの嘘に決まっている」「私も同じ話を聞いた」「私はこんな風に聞いている」と何らかの反応があると思われます。それらの情報を固めて、いよいよ本丸。得意先の当事者に確認してみましょう。取引をどうするかは、その後になります。
「火のないところに煙は立たない」ではありませんが、仮に噂が“ガセネタ”だったとしても、何らかの兆候が見え隠れしている可能性がないとはいえません。得意先の倒産は、売掛金の焦げ付きによる収益悪化と、売上そのものの減少を招きます。得意先や同業者とのコミュニケーションをまめにとり、情報のアンテナを張っておくことが不可欠といえるでしょう。

《HINT》
「損益分岐点」に着目した経営で「儲かる」「儲からない」を判断しよう!

「どれだけ売り上げれば収支トントンに持っていけるのか?」「目標とする利益を確保するのに必要な売上高は?」「人材を採用して増えた人件費をまかなうために売上をどれほどアップさせなければならない?」。経営者はこのようなことを考える場面によく出くわします。その際、非常に重要な指標として「損益分岐点」が挙げられます。

損益分岐点 = 売上高 ― 変動費 ― 固定費

簡単にいうと利益とは売上から費用を引いたもの。その費用は、売上に応じて増減する変動費と、売上の増減にかかわらず一定の固定費に分けられます。売上高から変動費を引いたものが限界利益。経営計画を立てる際、まず着眼すべき利益になります。売上を増やすことよりも、いかにして限界利益を大きくしていくかを考えることに注力しなければなりません。
限界利益から固定費を差し引いたものが損益分岐点。つまり、損益分岐点=売上高―変動費―固定費となります。損益分岐点を英語でいうと「Break Even Point」。この状態は売上と費用が同じで、何の利益も損失も発生していないことになります。売上高が損益分岐点を上回ると利益が生じ、下回ると損失を被ります。
したがって、必ずしも「儲かる=売上が伸びる」とはいえません。損益分岐点に達していなければ、売れば売るだけ損失が大きくなることになります。利益が伸びないとき、売上高を増やすことだけに力を入れるのではなく、変動費と固定費を削減して損益分岐点を下げることも考えるべきといえます。

部門、商品、プロジェクトごとに活用すると効果的

限界利益や損益分岐点は、将来の経営計画で威力を発揮します。新規事業を始めるときや新たなインフラを導入するときに事前検証手段として活用できるのです。
また、この損益分岐点は、会社全体で分析することよりも、部門や商品、プロジェクトといった小さな単位ごとで活用したほうが効果的。そうすると、詳細な対策を検討できます。さらには部門、商品、プロジェクトを拡大すべきか、撤退すべきかといった重要な判断を下す際に役立つことでしょう。

《小冊子マーケティングライター・あらがみかずこ氏に聞く!》
小冊子は経営者の人柄や業務への思いを伝える最高のツール!

「自分の思いを伝えるのに、小冊子の右に出るツールはありません」。昨年2月に出版された書籍『お客の心をぎゅっとつかむ!小冊子作成講座』(同文舘出版)の著者・あらがみかずこ氏は断言します。わが国唯一といってもよい「小冊子マーケティングライター」のあらがみ氏に、小冊子の魅力について話をうかがいました。

小冊子ができることとは何ですか?
対面しなくても書き手の人柄を知ってもらえることです。小冊子はだいたい15〜20分で読める程度の分量なので、ちょっとした時間に気軽に読んでいただくことができます。自己紹介ツールとしては最適ですね。
そして、自身の人柄の深い部分を知ってもらえることです。ここに小冊子の醍醐味があります。なぜ現在の仕事を選んだのか、どんな思いで業務にあたっているかなどを切々と綴れるツールは小冊子だけです。

小冊子が効果的なのはどんな業種ですか?
一般的には高額商品や、購入までにたくさん悩まなければ決められない商品・サービスについて小冊子が効果的です。例えば、住宅・不動産関連業、コンサルティング業、士業、開業医、冠婚葬祭業、健康関連業、教育業などが効果的な業種として挙げられます。

小冊子はマーケティングツール以外にも、どんな使い道があるのですか?
社長さんが社員の方々に思いや理念を伝える場合でも小冊子が役に立ちます。社長さんが話をするとき、社員が全員そろっているとは限りません。社員全員に小冊子をわたして読んでもらえば、経営者の思いは伝わります。「どうして社員は私の気持ちをわかってくれないんだ」と嘆く経営者には、ぜひ小冊子をお勧めします。
採用のツールとして小冊子を活用するのも効果的です。会社が掲げる経営理念、どんな人材を採用したいかなどを小冊子にまとめます。応募から面接まで日があるのなら、事前に小冊子を送って読んでもらうといいでしょう。応募者は面接前に会社のことをよく知り、共感してくれます。すると、初対面でもお互いが本音で話せるようになります。社員向け、採用向けに小冊子を1冊つくれば、少なくとも3年は使えます。経営者の思いの根となる部分は簡単には変わりませんからね。それこそ、増刷するときに一部を改訂する程度で済みます。これも小冊子の魅力でもあるのですよ。
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