税理士法人 杉井総合会計事務所

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今月のトピックス〔2008.3〕 -2008年3月11日

 

 

《データで見る経営》
メインバンクとの取引満足度を10年前と比較すると?
東京商工リサーチによる「金融機関との取引環境に関する実態調査」(2006年11月)のなかの「10年前と比較したメインバンクとの取引満足度」によると、従業員が多い企業ほど「現在の方が満足」の回答が増加する傾向にあります。一方、従業員が少ない企業ほど「10年前の方が満足」と回答する傾向にあることが読み取れました。
従業員20人以下の企業は「現在の方が満足」の回答と「10年前の方が満足」の回答の差異が小さいのですが、従業員301人以上の企業では「現在の方が満足」の回答が「10年前の方が満足」の回答の3倍以上を計上。規模が大きい企業ほどメインバンクの対応に改善がみられ、満足しているということになります。
また、別の統計では小規模企業ほど、ここ最近10年間でメインバンクを変更した割合が大きいという結果が出ています。メインバンクとの関係は資金調達の状況に大きく影響します。小規模企業ほど資金調達が円滑ではなくなっていることが、これら統計から把握することができます。

《データで見る経営》
スーパー既存店の売上は、前年同月比プラスの月が昨年は11月のみ!
経済産業省がこのほど発表した「商業販売統計速報」のなかの「大型小売店業態別販売額前年同月比増減率(既存店)の推移」によると、スーパー既存店の販売額の前年同月比増減率は、昨2007年では11月を除いてすべてマイナスという結果が出ました。全店ベースでは12ケ月すべて前年同月比プラスなのですが、これはほとんど新店舗オープンによる効果が寄与しているものと思われます。
2007年12月の同増減率はマイナス1.0%。これを品目別にみると、主力商品の飲食料品は同0.6%の増加。その一方、他の品目はいずれもマイナス。衣料品が5.0%、食堂・喫茶が8.6%、家具が4.4%、家庭用電気機械器具が3.5%とそれぞれ前年同月比で販売額がダウンしています。専門大型小売店の台頭で食品以外の部門は苦戦を強いられていることが読み取れます。
通常、スーパーが新店舗を出すと「開店セール」のような安売りを実施して、多くの来店客を集めます。しかし、それができるのは計画的に店舗をスクラップ&ビルドできる大手スーパーだけ。店舗が数店以下でスクラップ&ビルドができない中小・零細スーパーは、何か策を講じないと生き残れない現実が、この統計からも明らかになっています。


《経営Q&A》
1.若手社員と何を話せばいい?
:20代前半の若手社員とどんな話をすればいいかさっぱり検討がつきません。声を掛けても煙たがられるような気もします。そもそも、若手のほうから話し掛けてくるものではないでしょうか?
:若手社員が経営者や経営幹部に直接話し掛けづらいのは当然のことです。しかし、最近は社長や上司のほうが若手社員との会話を遠慮している傾向にあります。何を話せばいいかあれこれ考えるよりは、まずは一声掛けてみましょう。
では、どんなことを話せばよいのか?答えは実に簡単。「仕事はどう?」「何か悩みはない?」「最近頑張っているみたいだね」といった基本的なことで全然構いません。
まずはコミュニケーションの数をこなすことが大切。どんな中身を話すかは二の次です。
今どきの若手社員は成長をあせっています。あるアンケートによると、入社半年の新入社員のうち7割前後が焦りを感じているそうです。終身雇用、年功序列制度が崩壊した現在、「未来は自分で守らなければ」という不安が浸透しています。経営者がちょっと声を掛けるだけで、不安はやわらぐでしょう。
そして、新入社員が複数いれば、全員できるだけ均等に話し掛けること。特定の新入社員にだけ声を掛けていると、相手にされない社員は寂しがり、不安になるでしょう。ドライな雰囲気がある若手社員でも「現場では上司に叱られたけれど、社長が一言ほめてくれたから頑張ろう!」となるものなのです。

2.売掛金と買掛金のサイトのバランスをとるには?
:当社では売掛金の滞留が結構あり、頭を痛めています。一方、買掛金の支払サイトが短く、資金繰りが円滑とはいえません。売掛金をしっかり回収し、買掛金の支払サイトにもう少し余裕を持たせるにはどうすればいいのでしょう?
:資金繰りの改善には、売掛金を先行管理して徹底回収することが第一歩です。「あの取引先とは長い付き合いだし、1週間ほど遅れてもしっかり払ってくれるからいいや」という気長なスタンスではなく、毅然とした態度で支払期日を守るよう顧客を管理する必要があります。
それには取引先別に売掛金リストを作成するとよいでしょう。リストには、これまでの累積金額だけでなく、いつの時点でいくらずつ発生したのかまで一目でわかるように記載。こうすることで売掛金の「年齢」が把握できます。あとは、期日通りに回収していきましょう。
また、回収の見込みがない不良債権をそのままにしていてはいけません。きちんとしかるべき処理をしておきましょう。
一方、買掛金の支払条件を改善するには、まず、新規の仕入先に対して手を着けることをお勧めします。新規先への買掛金の支払いを従来よりも長いサイトで設定するほうが実践しやすいでしょう。
それに対して、既存の仕入先に対して「締め後30日の支払いを40日にしてください」
などと交渉するには細心の注意を要します。唐突に支払サイトの延長を要請すると「キャッシュフローが苦しいのでは?」という信用不安の風聞が立ってしまう危険性があるからです。
また、同じ原材料や商品を複数の先から仕入れている場合は、支払サイトが長い先から多く仕入れるようにするのも、キャッシュフローの改善につながります。工夫次第でいろいろなやり方があるのです。

《HINT》
「Wii」「DS」で躍進続ける任天堂。
決算書の中身はスーパーキャッシュリッチだった!


「Wii」「ニンテンドーDS」の爆発的なヒットで話題の任天堂。少し前まではソニーの「プレイステーション」に押されて苦戦を強いられていましたが、新商品にて普段はゲームをしない層も取り込み、見事に巻き返しました。これだけ競争力のある商品を生み出せたのは、技術力もさることながら、開発にしっかりと資金を注ぎ込められたことも起因しています。それは、任天堂の平成19年3月期の連結決算書を見ると、一目瞭然なのです。

保有キャッシュは9621億円!
現金及び預金が9621億9700万円計上。商品開発に十分投資できるだけの潤沢なキャッシュを保有していることになります。しかも、任天堂は無借金経営。同期の利益剰余金は1兆2202億円にも上ります。つまり、利益を蓄えて商品開発に投資するという、理想的なサイクルを繰り返していることになります。
さらに損益計算書に目を向けると、売上総利益(限界利益)は3978億1200万円。
これを社員数3313人(平成19年3月31日現在・連結)で割ると、一人当たりの限界利益が1億2000万円に達します。月100万円=年間1200万円あれば合格ラインといわれるなか、任天堂はその10倍の数字を計上。度を超えてハイレベルな収益体質なことが読み取れるでしょう。また、同期の人件費162億9200万円を限界利益で割った労働分配率は、なんと4.1%。これは驚異の数値といえます。

59年分の社員の給料が蓄えられている?
最後に机上の空論をひとつ。任天堂の現金および預金9621億9700万円を人件費162億9200万円で割ると、約「59」という数字が出てきます。これは何を表しているのでしょう?仮に任天堂がこれから何も事業をしなくても、59年間社員に給料を払い続ける事ができる計算になります。そう考えると任天堂がいかにキャッシュリッチな会社ということが実感できるでしょう。企業活動において先立つものは現金。現金があれば商品開発にも余裕をもって臨めるのです。任天堂のすばらしい決算内容は、キャッシュリッチが成せるさまざまな企業の可能性を示しています。       

《経営者インタビュー》
業界の魅力を、内外に発信するためのイベント有限会社てっぺんの「居酒屋甲子園」とは?
「居酒屋業界の風雲児」と呼ばれる大嶋氏。2003年7月にてっぺんを設立してから、大嶋氏は低迷を続ける居酒屋業界にいくつもの新風を送り出しています。そのひとつが「居酒屋甲子園」というイベントです。大嶋氏が主催するこのイベントは「居酒屋」と「甲子園」というなんとも不釣合いな組み合わせの名前を持ちます。このイベントの話を通じて、大嶋氏が“風雲児”と呼ばれる理由の一端を探ってみました。

「居酒屋甲子園」とは何ですか?
「居酒屋甲子園」とは居酒屋業界で働く人々が最高に輝ける場なんです。「居酒屋甲子園」がどういうものかというと、全国からエントリーした居酒屋店舗の中で選考で選ばれた優秀店舗が、年に一回、「居酒屋甲子園」という大会に終結して壇上で自店の取り組みを発表するというものです。07年3月に行なわれた第二大会では、参加739店舗、約5000人ほどの観衆にお集まりいただきました。

「居酒屋甲子園」を開催する目的は?
「居酒屋甲子園」を開催することで、業界内外に居酒屋の魅力を発信できます。そして、大会を通じて店舗やそこで働く従業員、さらには業者の方やお客様までが、その魅力を確認できるのです。そのことが居酒屋で働く人々のモチベーションアップにつながって、組織の力、店舗の力がついてきます。するとお店がお客様を満足させる魅力を持つようになって、売上も上がります。店舗の業績が上がれば、自社はもちろん、業者さんも喜ぶ。こういうイベントを開催して魅力の発信と確認をすることで、どんどん「業界は熱くなっていく」んです。

なぜ、居酒屋業界を熱くしたいと思うのですが?
「居酒屋業界を熱くしたい」という考えは、2003年に自社を設立して以来、ずっと思い続けていることなんです。業界内で競争して足をひっぱりあうのではなくて、共に勝つ仕組みをつくりたいと思っているんです。本当は居酒屋って働く人が愚痴をこぼす場ではなくて、夢を語る場なんですよ。夢を語って明日への気力になれば、きっと日本中が活気付くと思うんです。だから、居酒屋業界から日本を元気付けるためにも、まずはこの業界が熱くならなければと思っています。   
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