税理士法人 杉井総合会計事務所

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今月のトピックス〔2008.4〕 -2008年4月11日

 

 

データで見る経営
中小企業の1/3超が支払手形を減少させる構え
東京商工リサーチによる「金融機関との取引環境に関する実態調査」(2006年11月)のなかの「今後の支払手形の利用予定」によると、中小製造業の36.1%が支払手形を減少させる意向を示しています。「変更しない予定」は過半数の57.4%。「増加させる予定」は、わずか1.1%にとどまりました。
「支払手形を減少させる理由」という調査に関しては、従業員規模によって回答傾向が分かれました。従業員101人以上の企業ほど「手形取扱の事務負担軽減」「手形発行費用削減」という回答が大半。手形の事務処理や振り出しに伴う印紙代をコストととらえていることが読み取れました。
一方、100人以下の企業ほど、「自社の信用力をつける」「不渡り、倒産リスクの回避」という回答が上回りました。新規の取引先に対しては手形を振り出さず現金で支払うことで、信用を得ようと考えている傾向が強いといえるでしょう。

今月の数字
2007年12月の労働生産性指数は前年同月比1.3%アップ!
財団法人社会経済生産性本部では、2007年12月の労働生産性統計をまとめました。製造業の労働生産性は前年同月比で1.3%の上昇。前月(0.1%)と比べると1.2%改善しました。前年同月比でのプラスは2005年8月から29ヶ月連続です。
業種別に見ますと、電子部品・デバイスの前年同月比が9.5%、情報通信機械が6.9%、ゴム製品は4.7%と好調でした。電子部品・デバイスの上昇は生産の大幅増加が雇用増を吸収したのが要因。情報通信機械については、雇用が増加したものの、労働時間の微減、生産増加が上昇に寄与しました。ゴム製品に関しては、雇用が微増となるなかで労働時間減少と生産増加が影響しています。
一方、労働生産性指数が低下した主な業種は、窯業・土石製品が前年同月比マイナス7.4%、家具がマイナス6.4%、化学はマイナス4.6%でした。窯業・土石製品は雇用が微減したものの、生産の大幅な減少が生産性に影響。家具は雇用・労働時間は微減ながら生産減少が大きく響き、化学は生産減少ながらも雇用が増加したことが生産性のマイナスという結果をもたらしました。

経営Q&A
1.何回注意しても改善しない人への対応は?
:ある社員は、行き先や帰社時刻を誰にも告げずに外出してしまいます。何度注意してもいっこうに改善しません。どう対応すればよいのでしょう?
:このようなお話のときは、別室で話し合うことが求められます。しかし、唐突に「会議室まで来てください」と言われると、社員は不安になります。第1段階として、まず「いつもありがとう。急な頼みにも協力してくれて助かったよ」とねぎらいの言葉をかけましょう。
第2段階として、本題に入ります。「ここに呼んだのは、外出先と帰社時刻を周囲に知らせることを徹底してもらうことについて、一度きちんと話をしたいと思ったからです。昨日の午後に1回、先週は3回注意をしましたよね?」と社員の「いつ」「どんな」行動が困るのかを、できるだけ具体的に指摘します。
第3段階は、なぜ困るのかを説明します。「昨日は別の課の関根さんが、外出中のあなたに用事があり、困っていました。どこへ行ったのか、いつ戻ってくるのかわからないと、あなたを探してしまいます。その間は仕事がストップするんです。こういったことが続くと会社全体の損失となります。外出先と帰社時刻をきちんと知らせるということで、ぜひ協力してください」という具合です。
ここからがもっと大事な第4段階です。それは「言い分を聞く」ことです。何度注意しても改善しないのは、何らかの理由があるはずです。それを聞き出しましょう。そして言い分を否定するのではなく「なるほど、そういうことだったのですね」と事実を受け入れることが大切です。
最後にあたる第5段階は、社員自らに解決策を考えさせることです。改善するためにはどうすればよいか、アイデアを出してもらうのです。アイデアが出たら「いい提案ですね。早速今日からやっていきましょう。今話をしたということで、私もあなたの様子をしばらく見ています。私に協力してもらいたいことがあれば、声を掛けてください。それでは一緒にやっていきましょう」と社員に協力する姿勢を示すのです。
この第4、第5段階を踏むことで、言われた本人の納得度合いはぐっと高まります。あくまでも改善するのは「問題行動」そのもの。決して「社員の人格」ではないことを肝に銘じておくことです。

2.バブル期に高値で買った不動産は売るべき?
:バブル期に買った不動産があります。当然、購入時と比べて大幅に値下がりしてしまいました。現在も借入金の負担がのしかかっています。損を覚悟で売ったほうがよいのでしょうか?
:キャッシュフローの改善という観点で考えれば、思い切って売却したほうがよいでしょう。「バブル期に高い値段で買ったから、売るにも売れない」という気持ちは理解できますが、不動産が再びバブル期と同じだけの価格に値上がりする可能性がどれだけあるでしょう?
損失を覚悟してでも不動産を売却したほうが、借入金の負担が軽減され、会社のキャッシュフローは改善に向かいます。
大手自動車メーカーのマツダの例を挙げます。マツダはバブル崩壊後の1994年当時、5800億円を超える債務を抱えていました。そこで「これ以上借入金を増やせない。黒字のキャッシュフローを生みださなければ会社は破たんする」と判断。キャッシュフロー経営を実践しました。
マツダのキャッシュフロー経営の最重要課題は債務の軽減でした。不要な資産をリストアップして期限を決めて売却、現金化。運用していた有価証券を売却した際も、売却益を出すことよりも資金捻出を優先しました。
それにより、98年3月期の有利子負債は3940億円まで圧縮。4年間で2000億円近い債務削減に成功しました。「資産を今売ったら損をする」「主要取引先の有価証券は売れない」などといった事情には思い切って目をつぶったことが功を奏したのです。
企業は手持ちのキャッシュがなくなると倒産します。いかにしてキャッシュを増やすかという観点で経営を実践することが求められるでしょう。それには“負の遺産”をできるだけ早めになくしたほうが、会社の体力は回復するものです。

HINT
前受金ビジネスはキャッシュを増やすひとつの方法。「わが社には関係ない」と思い込んでいませんか?
前受金とは、対価となる財やサービスの提供前に受け取る代金。取引が成立しても現金が入ってくるまで待たなければならない売掛金とは違って、現金が先に入ってきますので、キャッシュフローを改善する効果的な方法のひとつになります。
「先にお金を払ってもいい」商品力が必要
前受金ビジネスにはどのようなものがあるでしょう。例えば、雑誌、新聞、DVD、CDなどの定期発行物の年間契約代金、スポーツクラブやエステティックサロン、カルチャースクールなどの年会費などが挙げられます。
これらのビジネスに共通していることは何だと思いますか?顧客が「先に現金を払ってもいいから手に入れたい」と思うほどの優れた商品やサービスを提供している点なのです。
前受金ビジネスを創出するアイデアを考えよう!
ここまで読んで「当社では前受金ビジネスなんて関係ない」と思い込んでいませんか?先ほど説明したような、競争力のある商品やサービスがあれば、仕組みをきちんと構築すると前受金ビジネスはできないか、アイデアを捻出してみることをおすすめします。
前受金ビジネスを行う際に注意していただきたいことが一点あります。前受金は決算書上では負債勘定で処理されます。手元のキャッシュを増やすためには有効ですが、実は自分の資金ではないことを肝に銘じておきましょう。
昨年破たんした大手英会話学校「NOVA」は、何年も先の分の受講料を一括で受け取る、前受金ビジネスの典型でした。しかし、拡大路線を突き進み、前受金を教室増加のための先行投資に注ぎ込み、それでも足りない分を借入金でまかなったことが経営を圧迫したのです。前受金ビジネスの利点にだけ着目し、本質まで理解していなかった事例ともいえるでしょう。

経営者インタビュー
黒字経営の実現に必要な、トップの経営マインドとは?
‐ 黒字経営のポイント(前編) ‐

「1990年の会社設立以来、18年にわたって1度も赤字を出したことがありません」。インターネット広告事業やダイレクトメール発送代行業で知られるセプテーニグループの創業者・七村守会長はこう言います。永続的な黒字経営の実現に不可欠なのは「黒字にこだわり続けること」と強調する七村氏に、5つのポイントについて話を聞きました。

会社設立以来、黒字を続けられている最大の理由とは何ですか?
「何がなんでも黒字にさせよう」とこだわり、思い続けたことに尽きます。設立当時は「赤字を出したら倒産する」という気概を持っていました。実際は赤字を出しただけでは倒産しませんが、そのくらい強い意志がないと、初年度は黒字になりません。実は1年目の売上が、計画の3分の1もいかなかったんですよ。だから徹底的に経費を切り詰めました。役員報酬も5分の1に削りました。とにかく利益を出すことにこだわりました。

会社を成長させていく上で、3つの壁があると聞きました。それはどのようなものですか?
20〜30年前は黒字を出して納税している会社が7割ほどを占めました。しかし今では逆に7割の会社が赤字で納税していないのです。いろいろ情勢が変わったこともありますが、経営者のなかに「利益を出したくない」という意識が働いていると思います。では、なぜ利益を出したくないのか?税金を払いたくないからなんですよ。納税には勇気がいります。経験上、申告所得金額の1000万円、5000万円、1億円でそれぞれ壁にぶち当たりますね。これが3つの壁なのです。

その、3つの壁についてもう少し教えてください。
申告所得が1000万円あれば400万円くらいの税金を支払います。これをバカバカしいと思ったときに節税したくなるでしょうね。自分の給料を削ってまでして捻出した利益の一部が持っていかれるのですから。5000万円になると、ここでも壁にぶつかります。2006年までは申告所得ランキングの対象になったからです。納税のためにも借入をする場合もありますから。1億円なら4000万円ほどの税金を支払います。もうここまでくるとまっとうな節税方法がないんですよね。この状況で経営者がどう考えるかが会社の分かれ目です。「こんなに税金を払うのなら今のままでいい」と思ったら、その時点でその会社は伸びません。一方、税金をきちんと払って内部留保も残そうと決めたら、その会社は間違いなく伸びていくでしょう。
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